溝井孝司のちゃらんぽらんちゃん。

詩的な日記小説です。児童文学みたいな人が書いてます。

ものがたり

20171211

通り過ぎて行った 「もう通り過ぎて行ったみたいだよ」と、Kは言った。「いずれ通り過ぎる。その渦中にいるときはそんなこと思えないかもしれないけれどね。台風みたいなものかな。嵐が来るんだ。必ず。どんなに避けようと、回避しようとしても、それは自然…

20171210

見返す 「僕は思うんだよ。」Kが言った。「僕が思うにはね、見返すことだとなんだよね。君たちが作り上げてきたものを改めて見返すことなんだ。そこに何がある?そこにあったものを今はどう見ることができる?捨てるべきものと、捨ててはならないものがある…

20171209

白湯 彼は沸かした白湯を一口飲み込むとその熱が内側を通っていくことを感じた。体は冷え切っていたからより一層内臓が熱で温まっていくようだった。着込んでいた服が、ちゃんちゃんこが暑いとすら感じられた。自分自身から熱を体温を発することができれば良…

20171208

水面 水面が揺れていた。これはプールだったんだけど、もう冬なのに水は溜まっていた。あの塩素の嫌な匂いはしなかった。屋上にあるプールだった。1階に脱衣所があり、そこで着替えて屋上に集合する。屋上と言っても2階建てだった。消毒という理由で冷え切っ…

20171207

単純 「この世界を難しくしているのは僕自身なんだよね。そのことはもう十分に承知しているはずだけれど、それなのにより難しくしようと勤めているんだ。もっと簡単で良いはずなのにね。難しくしないといけないとでも思っているのかもしれないよね。そうでな…

20171206

自己矛盾 「私は自己矛盾しているんです。あなたにかけた言葉も、私が書いていたあの言葉も本当は何もかも誰かに当てているようで、私自身への言葉であるのですから、その警告を私は受け取ることが出来るのでしょうか?その警告を素直に、抵抗することなく受…

20171205

子供時代 「僕たちの子供時代というものはもう終わってしまったのでしょうか?果たして終わることなどあるのでしょうか。子供であることが終わるというのは果たしていつを境に言うのでしょうか。僕たちの前に阻む大きな問題は子供時代を子供として過ごさなか…

20171204

長編 描いているものも作られるものもまた日記の小説のその長編の一部である。現れ方が違うだけでその一部に過ぎない。これまで短編の連続と思い込んでいたものが、一気にまた終わりのない長編への道へと続いていく。それは長旅だろうか?「長いのはどれくら…

20171203

生命 ここは多分小さい頃によく行った公園だった。ブランコだとか、ジャングルジムだとかがある。木登りしている子もいた。噴水がある。水が湧き出て入る。そこに落ちないようにと遊ぶ子もいれば、そのまま水の中に入ってしまう子もいる。柱に蔓が伝っていて…

20171202

気分 気分が大きく落ち込み、ようやく今日起きたら少し戻ってきたような感覚がある。日記を読み返すと11月17日ごろから気分が落ち込み始めているようだった。大きく落ち込むのは2、3日程度が多いように思う。最後の膿み出しのようなものなのだろうか。限界が…

20171201

体育館 長い渡り廊下を進んだ先にその体育館はあり、体育館にはびっしりとパイプ椅子が並べられている。この学校の生徒の席はもう決められていて、彼も決められた席につくことにした。何が始まるのかはわかっていない。卒業式だろうか。体育館の色合いは濃い…

20171130

朝型生活 みーさんが朝型生活に移行するので起こしてもらうことにした。7時ごろ起床。昨日までは朝起きる時の調子が悪かったのだが、今日は平常運行といったところだろうか。結局何やかんや言って、寝る前にお風呂に入って温まったり、歯を磨いたり、寝る前…

20171129

書き手 朝目が覚めるとあまり調子が良くないと感じる。睡眠のリズムが崩れたこともあるのかもしれない。その崩れたことを引きずって、どこか彼の気分も共に不安定なものになっていく。そんなことを書いてどうなるのかと彼は否定をしようとするのだが、私にっ…

20171128

工事音 外で工事をしているのか機械音が鳴り響いている。一度止まったと思うと再び地響きのように鳴り響く。男は体を揺らしていた。寒さから逃れようとした、一種の試みようのなものであった。男の指先、足先はすっかり冷え切っており、食べたばかりのお腹は…

20171127

森での生活 「森の中で生活するような暮らし」と言ったようなことがみーさんから出てくることがあり、どことなく溝井家のテーマになっているような気がしている。それは寒い場所でも工夫しながら暮らす、アイディアを出し合いながら暮らすということなのかも…

20171126

趣味と仕事の境目 「趣味は何?」と聞かれて返答に困ってしまった。今思えば散歩と答えそうだが、その時は絞り出して読書と答えていた。散歩も読書も結局、生きて行く上での一つの行動であり、それ自体も仕事の一環だなんて思っている自分がいるようだ。僕は…

20171125

「決断」 漢方を購入し、受け取りまでの間に時間があったので久しぶりにカフェに行く。駅前のエクセルシオール。鎌倉にカフェは沢山あるのだが、結局何か作業したり、本を読みたいとなるとチェーン店が一番居やすい気がしている。チェーン店といっても居心地…

20171123

布の役割 織りたての綿素材の布と元々織って置いていたウール素材の布を洗いにかける。縮絨という作業で、糸と糸がしっかり絡み合い、洗った後の風合いはすっかり変化する。洗って脱水までして、その後アイロンをかけるのだが、布自体が柔らかくなる。その布…

20171122

額装 絵の額装をお願いしに新橋の月光荘エムゾへ。先々月行った展示のご縁で絵が手元から旅立つことが決まりそのための額装。こうやって1枚1枚人の手に届いていくことはとても嬉しいことなのだと実感する。最近、東京へ出る機会が増えているがあえて土日、祝…

20171121

雑貨屋さん 手先が冷える。部屋の中は寒いと感じるが太陽が入り込んでくる場所は暖かいと感じられる。「冬になると作りたくてたまらなくなりますよね」と言っていたのはキキさんだった。キキさんは雑貨屋を営んでおり、店内には手芸用の道具や糸など、キキさ…

20171120

学校 彼は未だに学校自体を卒業できずにいた。まだ教室に座っているし、授業を受けている。それ自体に退屈しているというよりは、ついていけないと言った方がよいのかもしれなかった。各教科ごとの先生が前に立ち話しているその言葉が、まったく理解できなく…

20171119

太陽に触れる 太陽に触れる。それだけのことが少し彼の気持ちを楽にさせ、前向きにさせていた。そこに自ら向かって行ったというよりは、連れられてなんとか動いて行ったという感じであった。うまく行動することが出来なくなっていく。どうしても後ろめたい気…

20171118

空間 彼は空間というものに興味を持ち始めていて、それは部屋の中のインテリアとかそういう事ではないようだった。それは結果的にそう配置されているだけであり、人の内面に立ち上がる空間である。自らを大学という人もいれば、保健室という人がいる。そのよ…

20171117

じゃがいもスープ 友人からもらった本の中にあったじゃがいもスープを作る。じゃがいもを1.5センチ程度に角切りし、水にさらす。しばらくしたら水から出し水気を切っておく。2人分だったのでじゃがいもは2個にした。300〜400mlくらいの水を沸騰させる。玉ね…

20171116

無意味さ 彼はやっていることの無意味さを考え始めていたのだが、そもそも意味や理由など必要はないはずであり、ただ運動として書くということを続けているだけなのであるが、その文章が至って成り立っていないことや、崩壊していることからして、それが何の…

20171115

年越し 朝になると冷え込みが強くなっていく。お腹も若干下し気味。また夢で交通事故に遭う。車に乗って事故にあったり、ブレーキが効かなくなったりする夢をよく見る。昨夜は仙台麩鍋を食べた。味がしみていて美味しい。〆はうどんで。最近は油絵の具で描い…

20171114

変容 知らない鳥の声が聞こえた。彼は森の中を歩いている様だった。気がつけば森へ入り込み、もうだいぶ深くまできている様だった。あたりは薄い緑に覆われている。木の隙間から奥を見ようとするがまた木が立ち並び奥を発見することはできない。まだこの森に…

20171113

演奏と絵 彼は弾かれる弦の音に耳を傾けていたし、描かれるその紙の上に乗る線に注目していた。紙と鉛筆とが擦れる音、その心地悪い音に体が反応し、ただ悶え続けていたのだが、それは彼の内側へ、衝動を誘発し続けていたし、気付けば弾かれた弦の音をすっか…

20171112

錯覚 からし色のセーターを着て歩いている人。一瞬オレンジ色が入り込む。すぐにからし色に戻った。錯覚だったのだろうか。しかし、ほんの一瞬その色の錯覚を起こしていたことを彼は知っていたのだろうか。ブルーシートの上には、アクリル絵の具、絵筆が数十…

20171111

触れていたもの 彼は確信の様なものを捉えていた。それが何かは分からなかったし、理由も明確ではなかった。というよりはもうすっかり忘れてしまっていたのだ。それにも関わらず、彼はその確信の様なものの存在のことを記憶していた。これは感触として体の中…