溝井孝司のちゃらんぽらんちゃん。

詩的な日記小説です。児童文学みたいな人が書いてます。

ものがたり

20171222

しゃがみこむ 不愉快なその足を蹴飛ばして私は遠くへ行こうと決めた。お前なんぞに触れられるほど容易くない。容易ではないのだ。だから私はこの場を立ち去ったのだ。しかし向かった先で待ち受けていたのは、また男どもの障壁だった。どうして、どうしてそこ…

20171221

敬意 窓から入り込む明かりが眩しいと感じた。もう朝だったのだ。規則正しく太陽は登り沈んでいく。そのリズムが心地よくもあり、緊張させた。しかし当の太陽本人ときたらそんなことを考えてもいないだろう。ただ登っては沈んでいく。繰り返しているだけだっ…

20171220

歪む 「捕まえろという。彼は私のことを捕まえろという。野放しにしてはならいないという。」彼女は追われていたのだろうか?悲壮感は漂っていなかった。「彼はそういうけどね、彼自身が捕らわれていることを私は知っていたわ。彼のことはなんでも知っている…

20171219

矛盾していて曖昧で また少し眠気が襲ってくる。そうなってくるともう現実との境界は曖昧になり、どちらもフラフラと地に足がつくことはなく揺れる。「私たちはどこにいてもあの光景を目にすることが出来る。そして何度も思い浮かべてはその世界に浸っている…

20171218

見届ける 見届けていた。それは淀み。かなりの量を所持していた。排泄された。そこに空洞が現れ、隙間が顔を出す。あまりに背負い込み過ぎていたのかもしれない。膨大な情報、莫大な所有物。もうそれは抱えきれるのか?抱えきれていたのだろうか?倉庫でも借…

20171217

陽気 久しぶりに出会った。彼は陽気であったし、ものごとを楽しく捉えることができる人間だった。周りからは少しふざけすぎているとか、おちゃらけすぎているとかそういう評価を受けていたようだが、私から見れば彼の存在は大きなものだった。彼のその陽気さ…

20171216

描写 「外側を描写することだ。」Kは言った。「外側には何がある。今君を取り巻いている、物、音、空気、触感などを含めて、何もかもをどう捉えているかだ。君はあのヘリの防音に嫌悪感を抱いているし、そのことが普通であるこの状況に疑問を抱いている。子…

20171215

チョコケーキ 「君が食べたチョコケーキはどこへ行ったの?消えてしまったの?それともまだ一緒にいるの?君はチョコケーキを食べてしまったし、もうないと思っているのだけれど、僕からしたら、君は今チョコケーキの存在を確かに感じているように、そう感じ…

20171214

ハードル 「もう分からないんです。とにかく不安なんです。私は不安を持ち歩いています。いつの日もいつの日もです。そうじゃない時はありません。そうじゃないように見えている時、私はただごまかしているだけだし、すごく無理をしています。気を使ってのこ…

20171213

色彩 「朝はまた真っ白な状態から始まるの。」と、彼女は言った。「また真っ白なのよ。昨日まで塗っていた、その色たちは、例えば強い紫だったのかもしれないんだけど、今日になったらそれは青に変わるわ。藍色。少しくすんだ青色。また新しく色を塗るの。私…

20171212

強固 「僕たちが作り上げたものはね」と、Kは言った。「僕たちは強固な思想を作り上げてしまったんだ。まるで崩れ去ることはない絶対的な思想と錯覚している。いいかい、これは僕たちが作り上げた幻想。錯綜し続けている。それはあなたの感情であったり、知…

20171211

通り過ぎて行った 「もう通り過ぎて行ったみたいだよ」と、Kは言った。「いずれ通り過ぎる。その渦中にいるときはそんなこと思えないかもしれないけれどね。台風みたいなものかな。嵐が来るんだ。必ず。どんなに避けようと、回避しようとしても、それは自然…

20171210

見返す 「僕は思うんだよ。」Kが言った。「僕が思うにはね、見返すことだとなんだよね。君たちが作り上げてきたものを改めて見返すことなんだ。そこに何がある?そこにあったものを今はどう見ることができる?捨てるべきものと、捨ててはならないものがある…

20171209

白湯 彼は沸かした白湯を一口飲み込むとその熱が内側を通っていくことを感じた。体は冷え切っていたからより一層内臓が熱で温まっていくようだった。着込んでいた服が、ちゃんちゃんこが暑いとすら感じられた。自分自身から熱を体温を発することができれば良…

20171208

水面 水面が揺れていた。これはプールだったんだけど、もう冬なのに水は溜まっていた。あの塩素の嫌な匂いはしなかった。屋上にあるプールだった。1階に脱衣所があり、そこで着替えて屋上に集合する。屋上と言っても2階建てだった。消毒という理由で冷え切っ…

20171207

単純 「この世界を難しくしているのは僕自身なんだよね。そのことはもう十分に承知しているはずだけれど、それなのにより難しくしようと勤めているんだ。もっと簡単で良いはずなのにね。難しくしないといけないとでも思っているのかもしれないよね。そうでな…

20171206

自己矛盾 「私は自己矛盾しているんです。あなたにかけた言葉も、私が書いていたあの言葉も本当は何もかも誰かに当てているようで、私自身への言葉であるのですから、その警告を私は受け取ることが出来るのでしょうか?その警告を素直に、抵抗することなく受…

20171205

子供時代 「僕たちの子供時代というものはもう終わってしまったのでしょうか?果たして終わることなどあるのでしょうか。子供であることが終わるというのは果たしていつを境に言うのでしょうか。僕たちの前に阻む大きな問題は子供時代を子供として過ごさなか…

20171204

長編 描いているものも作られるものもまた日記の小説のその長編の一部である。現れ方が違うだけでその一部に過ぎない。これまで短編の連続と思い込んでいたものが、一気にまた終わりのない長編への道へと続いていく。それは長旅だろうか?「長いのはどれくら…

20171203

生命 ここは多分小さい頃によく行った公園だった。ブランコだとか、ジャングルジムだとかがある。木登りしている子もいた。噴水がある。水が湧き出て入る。そこに落ちないようにと遊ぶ子もいれば、そのまま水の中に入ってしまう子もいる。柱に蔓が伝っていて…

20171202

気分 気分が大きく落ち込み、ようやく今日起きたら少し戻ってきたような感覚がある。日記を読み返すと11月17日ごろから気分が落ち込み始めているようだった。大きく落ち込むのは2、3日程度が多いように思う。最後の膿み出しのようなものなのだろうか。限界が…

20171201

体育館 長い渡り廊下を進んだ先にその体育館はあり、体育館にはびっしりとパイプ椅子が並べられている。この学校の生徒の席はもう決められていて、彼も決められた席につくことにした。何が始まるのかはわかっていない。卒業式だろうか。体育館の色合いは濃い…

20171130

朝型生活 みーさんが朝型生活に移行するので起こしてもらうことにした。7時ごろ起床。昨日までは朝起きる時の調子が悪かったのだが、今日は平常運行といったところだろうか。結局何やかんや言って、寝る前にお風呂に入って温まったり、歯を磨いたり、寝る前…

20171129

書き手 朝目が覚めるとあまり調子が良くないと感じる。睡眠のリズムが崩れたこともあるのかもしれない。その崩れたことを引きずって、どこか彼の気分も共に不安定なものになっていく。そんなことを書いてどうなるのかと彼は否定をしようとするのだが、私にっ…

20171128

工事音 外で工事をしているのか機械音が鳴り響いている。一度止まったと思うと再び地響きのように鳴り響く。男は体を揺らしていた。寒さから逃れようとした、一種の試みようのなものであった。男の指先、足先はすっかり冷え切っており、食べたばかりのお腹は…

20171127

森での生活 「森の中で生活するような暮らし」と言ったようなことがみーさんから出てくることがあり、どことなく溝井家のテーマになっているような気がしている。それは寒い場所でも工夫しながら暮らす、アイディアを出し合いながら暮らすということなのかも…

20171126

趣味と仕事の境目 「趣味は何?」と聞かれて返答に困ってしまった。今思えば散歩と答えそうだが、その時は絞り出して読書と答えていた。散歩も読書も結局、生きて行く上での一つの行動であり、それ自体も仕事の一環だなんて思っている自分がいるようだ。僕は…

20171125

「決断」 漢方を購入し、受け取りまでの間に時間があったので久しぶりにカフェに行く。駅前のエクセルシオール。鎌倉にカフェは沢山あるのだが、結局何か作業したり、本を読みたいとなるとチェーン店が一番居やすい気がしている。チェーン店といっても居心地…

20171123

布の役割 織りたての綿素材の布と元々織って置いていたウール素材の布を洗いにかける。縮絨という作業で、糸と糸がしっかり絡み合い、洗った後の風合いはすっかり変化する。洗って脱水までして、その後アイロンをかけるのだが、布自体が柔らかくなる。その布…

20171122

額装 絵の額装をお願いしに新橋の月光荘エムゾへ。先々月行った展示のご縁で絵が手元から旅立つことが決まりそのための額装。こうやって1枚1枚人の手に届いていくことはとても嬉しいことなのだと実感する。最近、東京へ出る機会が増えているがあえて土日、祝…