創作と探検の日記。

文、絵、歌、布など自給しています。

20180104

隣り合わせ 「君はいつだって私と隣り合わせだ。君の選択次第かもしれない。君が何を選び取るかだし、今も君とは隣同士の間柄なのだと思う。君は布団に横たわりながら次の選択を考える。そして不安に襲われる。より身近に私の存在を感じ始めている。私は君が…

20180103

夜明け 静かに過ごしていれば何も邪魔されることはなかった。「結局は自分がどうするのかを決めることだね。何ら問題なかったはずさ。自分さえ静かに、自分自身に目を向けるとだけを決めてしまえば、あとは簡単なことだった。きっと外部は騒がしいままだろう…

20180102

間延びした時間 間延びした時間の上に乗って辺りを見渡していたが、出口は見当たらずどうやら迷子になっているようだった。備え付けられたテーブル、配置された椅子、そこに座っていたのは確かだった。薄らいでいく意識をなんとか繋ぎとめようとする。決して…

20180101

鐘 深夜になり鐘の音が鳴り始める。あちらこちらから、それぞれ違った音色を奏でていた。もうすぐ年が開けるようだった。10分ほど前になるとそうやって年の終わりを感じさせる。そして新たな年への期待を抱くような音色に転調していく。風邪が悪化し家の中で…

20171231

混同 またどこか遠くへ行っていたようでした。いったいどれほどの記憶が私の中に隠されているのでしょうか。その度に現れる感情のようなものを紐づけているのだろうか。全く別の体験であったはずの出来事が、感情一つで、似ているという理由だけで、芋づる式…

20171230

積年 そこにあった詰まりだとか、淀みというのはいつか痛みに変わるのだろう。その痛みを受けてからで無いと気づけないのだとしたら、どうしてそんなにも酷使し続けてなくてはならなかったのだろうか。「あの家は。」Kは言った。「あの家はもう私の家ではな…

20171229

記憶 あなたはもう知っていたんです。そう、もう世界を見わたそうとしなくても、もうすでに知っていた。仕舞い込んでいたのかもしれない。あなたは女の子だったし、男の子だった。そのどちらをも演じていた。どちらも存在していた。そこに何か疑問があるのだ…

20171228

香り またまったく同じように、以前と同様にそれらを感じ取ることは大変難しいのだろう。もしかしたらもうそれらを感じ取ることは出来ないのかもしれない。それらとは多分あの安堵感であるとか、触れた空気について改めて味わうと言った、あの肌で触れ合った…

20171227

室外機 室外機の音が鳴り響いているようだった。この部屋にエアコンは付いていないはずだったし、隣の家だったのだろうか?唸るような音に目を覚まし、そのまま炬燵へ潜り込んだ。太陽が正面から入り込む。目を閉じるが隙間から光は漏れ、目の奥へと侵入して…

20171226

皮膚 昨日までは確かにここにいたはずだったのに、もう行ってしまったのね。立ち止まろうとはしない。あの人はいつも立ち止まろうとしない。ただ停滞する。必要だから停滞していた。動きながら停滞している。じっとしているわけでも取り乱しているわけでもな…

20171225

噂話 噂話。私の耳元で、私の噂話。手馴れたものだった。彼女たちの噂話ときたら巧妙で、決して私のことではないように噂をする。それでも意識は私の方に向いていて、私は知らん顔。どうせどんなに地球が回ったとしても、きっと同じ場所を堂々巡り。抜け出す…

20171224

独白 「何か悪いことなのでしょうか?これは悪いことですか?私は誰に問いかけていますか?私は幼稚なのです。未だに大人になれません。なろうと努力したところで私はいつまでも幼稚な状態なのです。努力しても出来ないことがあるとするならそういうことでし…

20171223

残ったもの 例えば君がその怒りを、何もかもを吐き出したとしよう。するとどうだろう。君は何もかも言いたいことを言い、さぞスッキリと気持ちよく今後を過ごすことが出来ると考えるかもしれない。しかしだ。本当のところを言うと確かにその瞬間に関して言え…

20171222

しゃがみこむ 不愉快なその足を蹴飛ばして私は遠くへ行こうと決めた。お前なんぞに触れられるほど容易くない。容易ではないのだ。だから私はこの場を立ち去ったのだ。しかし向かった先で待ち受けていたのは、また男どもの障壁だった。どうして、どうしてそこ…

20171221

敬意 窓から入り込む明かりが眩しいと感じた。もう朝だったのだ。規則正しく太陽は登り沈んでいく。そのリズムが心地よくもあり、緊張させた。しかし当の太陽本人ときたらそんなことを考えてもいないだろう。ただ登っては沈んでいく。繰り返しているだけだっ…

20171220

歪む 「捕まえろという。彼は私のことを捕まえろという。野放しにしてはならいないという。」彼女は追われていたのだろうか?悲壮感は漂っていなかった。「彼はそういうけどね、彼自身が捕らわれていることを私は知っていたわ。彼のことはなんでも知っている…

20171219

矛盾していて曖昧で また少し眠気が襲ってくる。そうなってくるともう現実との境界は曖昧になり、どちらもフラフラと地に足がつくことはなく揺れる。「私たちはどこにいてもあの光景を目にすることが出来る。そして何度も思い浮かべてはその世界に浸っている…

20171218

見届ける 見届けていた。それは淀み。かなりの量を所持していた。排泄された。そこに空洞が現れ、隙間が顔を出す。あまりに背負い込み過ぎていたのかもしれない。膨大な情報、莫大な所有物。もうそれは抱えきれるのか?抱えきれていたのだろうか?倉庫でも借…

20171217

陽気 久しぶりに出会った。彼は陽気であったし、ものごとを楽しく捉えることができる人間だった。周りからは少しふざけすぎているとか、おちゃらけすぎているとかそういう評価を受けていたようだが、私から見れば彼の存在は大きなものだった。彼のその陽気さ…

20171216

描写 「外側を描写することだ。」Kは言った。「外側には何がある。今君を取り巻いている、物、音、空気、触感などを含めて、何もかもをどう捉えているかだ。君はあのヘリの防音に嫌悪感を抱いているし、そのことが普通であるこの状況に疑問を抱いている。子…

20171215

チョコケーキ 「君が食べたチョコケーキはどこへ行ったの?消えてしまったの?それともまだ一緒にいるの?君はチョコケーキを食べてしまったし、もうないと思っているのだけれど、僕からしたら、君は今チョコケーキの存在を確かに感じているように、そう感じ…

20171214

ハードル 「もう分からないんです。とにかく不安なんです。私は不安を持ち歩いています。いつの日もいつの日もです。そうじゃない時はありません。そうじゃないように見えている時、私はただごまかしているだけだし、すごく無理をしています。気を使ってのこ…

20171213

色彩 「朝はまた真っ白な状態から始まるの。」と、彼女は言った。「また真っ白なのよ。昨日まで塗っていた、その色たちは、例えば強い紫だったのかもしれないんだけど、今日になったらそれは青に変わるわ。藍色。少しくすんだ青色。また新しく色を塗るの。私…

20171212

強固 「僕たちが作り上げたものはね」と、Kは言った。「僕たちは強固な思想を作り上げてしまったんだ。まるで崩れ去ることはない絶対的な思想と錯覚している。いいかい、これは僕たちが作り上げた幻想。錯綜し続けている。それはあなたの感情であったり、知…

20171211

通り過ぎて行った 「もう通り過ぎて行ったみたいだよ」と、Kは言った。「いずれ通り過ぎる。その渦中にいるときはそんなこと思えないかもしれないけれどね。台風みたいなものかな。嵐が来るんだ。必ず。どんなに避けようと、回避しようとしても、それは自然…

20171210

見返す 「僕は思うんだよ。」Kが言った。「僕が思うにはね、見返すことだとなんだよね。君たちが作り上げてきたものを改めて見返すことなんだ。そこに何がある?そこにあったものを今はどう見ることができる?捨てるべきものと、捨ててはならないものがある…

20171209

白湯 彼は沸かした白湯を一口飲み込むとその熱が内側を通っていくことを感じた。体は冷え切っていたからより一層内臓が熱で温まっていくようだった。着込んでいた服が、ちゃんちゃんこが暑いとすら感じられた。自分自身から熱を体温を発することができれば良…

20171208

水面 水面が揺れていた。これはプールだったんだけど、もう冬なのに水は溜まっていた。あの塩素の嫌な匂いはしなかった。屋上にあるプールだった。1階に脱衣所があり、そこで着替えて屋上に集合する。屋上と言っても2階建てだった。消毒という理由で冷え切っ…

20171207

単純 「この世界を難しくしているのは僕自身なんだよね。そのことはもう十分に承知しているはずだけれど、それなのにより難しくしようと勤めているんだ。もっと簡単で良いはずなのにね。難しくしないといけないとでも思っているのかもしれないよね。そうでな…

20171206

自己矛盾 「私は自己矛盾しているんです。あなたにかけた言葉も、私が書いていたあの言葉も本当は何もかも誰かに当てているようで、私自身への言葉であるのですから、その警告を私は受け取ることが出来るのでしょうか?その警告を素直に、抵抗することなく受…