溝井孝司のちゃらんぽらんちゃん。

詩的な日記小説です。児童文学みたいな人が書いてます。

木のある方へ。

あっちに行きたい。

木のある方へ。

大樹のある方へ。

体は自然と進みます。

 

なぜこっちに進みたいのか、理由は分からないのです。

心地よいんです。

 

時に疲れたり、少しの怪我をすることもあるかもしれませんが、そんなの大した問題ではありません。

 

そうしたらまた、休めばいいのですから。

 

足を止めて、そこにある切株に腰をかけました。

カバンの中から水筒を取り出し、水を含みました。

 

目を瞑って呼吸を整えると、鳥が囀り、木々を走り回るリスがいました。

 

トンビはいつものように優雅に空を飛び回っていました。

きっと獲物を狙っているのでしょう。

 

 

喉の奥には悲しみがありました。

しかしそれは優しさでもありました。

悲しみを知っているから、あなたに優しくすることが出来ます。

 

過剰な優しさではありません。

些細なことだったのです。

 

優しさは時に、突き刺さることがあります。

思いがけず、胸の奥底に突き刺さります。

それこそが、優しさなのです。

 

あなたのままをぼくのまま伝えたかったのです。

 

どんなことでも、よいのです。

 

進みなさい。

あなたのまま。

ぼくのまま。

 

 

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気づいたら木のある方へ進んでいました。

 

山が森が音にもならないような小さな声でいつの日も声を掛けてくれていました。

 

耳を澄ませよう。

声にならない小さな声にも耳を傾けよう。