創作と探検の日記。

文、絵、歌、布など自給しています。

20170927

 少し落ち着いていたのかもしれませんでした。食べることでした。とにかく食べるのです。腹に入れなさい。それは栄養であるのです。私は食べては寝てを繰り返していた。眠ること自体にもエネルギーを用していた。眠る体力もなくなっていたからかもしれない。眠るために食べていた。働くためでも、体を動かすためでもなく、私はただ眠るための栄養を補給するためにただ食べていたのだ。状況は変わったのか。好転はしていないように思っていたのは外から見ていた犬だった。あいつは私のことをなんだってお見通しなのだ。鎖に縛られているがあいつの方が誰よりも自由であるように見えた。あいつは何もかもお見通しだから。私たちのことを見透かしている。かといって何もいうことはない。話しかけても舌を出してハアハア言うだけだ。とぼけた顔をしていたのは私の方だったのだ。あいつは人を寄せ付けながら何もかもを見透かし、分かった上でとぼけた顔をしたし、そうやって生きるすべみたいなものを会得していた。あいつは食料に困らない。あいつはただ食べていたいから食べていた。生きるためでもあるはずなのだが、そんなことよりもただ食べたいから食べていた。欲求に誰よりも素直であった。私は寝転がりながらあいつの姿を見た。あいつは何食わぬ顔でこちらを見つめていた。私たちは目の中に移る光景に着目した。光のことだったのかもしれない。頭に響いているのは光なのだろうか。私には少し明るすぎた。目からの刺激、私は溶けていく。頭の中が痛む。内部が痛むのだ。気持ちが良い状況ではなくなっていた。あいつはそれすらも見透かしていた。しかし何も言わなかった。舌を出しているだけだった。

 

疲労

 疲れが出ているのか頭が痛い。いつも精神的に調子が悪くなってしまうが、今回は体に出ている。これはもしかしたら良い兆しなのだろうか。とにかく頭が痛い。フルグラ、ジャムパン、サラダを食べる。サラダはレタス、ルッコラ、コーン、生ハムにオリーブオイルと塩をかけた。食べては寝てを繰り返している。眠ることにも体力がいる。気分が落ち込んでいるわけではないように思う。切り分けられている。ただ体の疲れが表出しているのだと思った。それがきっかけでイライラしてしまったり、そういう感情の変化はあるが、ひどく落ち込んでしまうわけでもない。今何を考えているのかは私が一番分かっていないのかもしれない。とにかく体の状態のことを書いている。そこに紐づかれる言葉はあまり意味を持たないのかもしれない。どれも曖昧なことであり、真実ではないように思えてきたのだ。これは思考されたものではなく、ただ鉛のような指先から重たくのしかかる文字の羅列。どうってことはなかった。なんだって良かったのだ。ただ動かすことに意味があったのかもしれない。私は体調を崩すことを何よりも恐れているのだ。安定していたいと願っている。安定などないと否定するのは私自身の声なのかはもう判別がつかなくなっていた。どちらかに切り分ける気もなければ、どちらかになる気もない。もともと何もない。ここには何もなかった。

 

 そのことを書いていたのは弟だった。弟はそうやって何でもかんでも喋るのだ。私は弟を無視していた。私は頭が痛かったし、人の話を聞くことが苦手であるから、永遠と喋り続ける弟が苦手であったのだ。そういう私も弟だった。どうやら私も弟として分類をされるのだ。これは家族関係の中で重要な役割を担っていた。バランスを見ることになる。これは弟だからではなかった。生まれ落ちたその瞬間から家族という共同体の中でバランスを見て育つことになる。家族が存続していくために全力を尽くす。それが私だった。崩してはいけなかった。そのバランスを保っていた。必死だったのは私自身だったのだ。弟はその間もずっと喋り続けていた。人形を使って劇のようなことをする。私にはそういった想像力は皆無だ。空想の世界など持ち合わせていなかったし、何よりも重要だったのは家族の存続であったのだ。今となっては未熟であるのは皆一緒であると考えを持ち始めていた。しかし私は、弟のその言葉に強く抵抗した。そうであってはならないのだ。未熟であってはならなかったのだ。立派でなくてはいけなかったし、優等生でなくてはならなかった。これは通知表のことを話しているわけではなかった。学校生活においての成績は私にとって差して重要な事柄ではなかったのだ。重要だったのは私自身の成績であり、結果だったのだ。弟は私の結果をいつの日も読み上げる。「3打数1安打1三振。通算打率二割八分です。年俸一億円プレイヤー。どうぞよろしく、どうぞよろしく」弟はただ成績のことを連呼していたのかもしれない。しかし私のことをなんでも把握しているようでならなかった。私は頭が痛かった。頭が痛かったのではなく、頭の中に所有していたことを思い出した。それは欲求であり、結果であった。承認欲求のようなものかもしれない。私は有名になれば良かった。そうすれば家族の危機を守れると思ったのだ。しかしそれは私自身の欲求であり家族の危機との関係は皆無だったのだ。私はそうやって都合よく真実を捻じ曲げることができた。なぜなら私自身が真実であったし、そこを揺るがすことは誰にもできないはずだったからだった。しかし弟は全てを知っていたのだ。見逃すことはなかった。私の一挙手一投足を全て読み上げた。喋り続けた。私は弟を呼び出し、弟の存在を消した。弟は快く承諾した。消えることなど容易かったのだ。私はその瞬間から一人っ子になったのだ。兄弟はいなかった。しかし私は弟と呼ばれていたし、そう見られていたのだ。私は混乱し始めていた。消したはずの弟が私自身として存在しているとすれば消えていたのは私自身であったからだった。しかし私はいまそのことを書き連ねていたし、喋っていた。弟の言っていたことを永遠と書き連ねることにしていた。弟と私の関係は未だに続いていた。消えていたのは私自身だったのかもしれない。今となってはどちらでも良いことだし、真実なんてなんだっていいことだ。私は日々入れ替わっていた。生まれ変わっていたのかもしれない。死んでいたのは私だったのだ。

 

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曇り空。

時々雨。

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