創作と探検の日記。

文、絵、歌、布など自給しています。

20180104

隣り合わせ

 「君はいつだって私と隣り合わせだ。君の選択次第かもしれない。君が何を選び取るかだし、今も君とは隣同士の間柄なのだと思う。君は布団に横たわりながら次の選択を考える。そして不安に襲われる。より身近に私の存在を感じ始めている。私は君が思っているよりも身近で、いつからか隣に居座るようになってしまった。そのことを後悔することもなければ、罪悪感を持つこともない。ただ、訪れるのを待つのみである。君のこともそうやって待っているのかもしれない。しかし期待はしていない。何も感情を抱くこともない。ただ君が選び取った時に私は現れるだけであるし、それ以外はただ隣でおとなしくしているつもりでいる。だからそう、君が今感じているそういう不安感のようなものはある意味では君自身が肥大させいている、誇大妄想にすぎないのかもしれない。きっとどこまでも広がり続けるだろう。君はどこかでそれらを全くないものにしようと躍起になるが、私は消えることもなければ遠ざかることもないと薄々は感づいているように思う。これは何のメッセージだろうか。確かに数字が私たちに知らせることは多くあるのだと思う。例えば数字の4が羅列し始めた時、一体どんな感情を抱くだろう?しかしそれは子供達の遊びみたいなものだったし、今となっては全く違った意味に捉え直すこともできるだろう。ここで浮かび上がるのは結局そういったあの子供の頃の、勝手な思い込みを今もまだ引きづり、それが真実であると信じ、分別がつかない状態が続いているということだ。まるで今もあのアスファルトの上で逃げ回っているようで、何か盗まれたもの追いかける可哀想な人を傍観しているような、自分の身を守るための準備を着々と進めているようなそんな気分になるのだろう。」

 

近親者

 消えることはありません。あの時私が無視した光景を私は忘れることはないでしょう。追いかけていました。泥棒を追いかけていました。彼は必死に盗まれたものを取り返そうとしていました。子供の戯れのようなものかもしれません。私はそこに加わりませんでした。同じ人間だと思われることは大変危険でした。追いかけていた人はいじめられていました。確かなことは定かではありません。ただ私からみると完全に社会に馴染めていないように見えました。私はその人物が近親者であることに危機感を覚えていたし、ここで私自身の存在を知られようものなら私の生活にまで危険が広がることを知っていましたから、私はそれ自体を全くないものとして消し去ったのです。それが今となっては鮮明に、あの追いかける姿、あの情けない姿が私の目の裏で何度も上映されます。まるで映画のワンシーンのようにあの情けない姿が、何遍も、何遍も私に襲いかかるのです。

 

寒空

 なんと恐ろしい存在なのでしょうか。あまりに素直に、あまりに正直に何もかもを破壊していくのです。私はその恐怖におののき、彼らと鉢合わせないように逃げ惑うしかないのです。これは私の記憶、恐怖、戦慄、組織、会合的な集まりの中で起こっていました。私は沈黙の椅子に腰掛け、ただ風邪をこじらせたように咳払いをすることしかできなかったのです。その時に起きた暴動。それらは恐怖からの脱却、脱走を意味していたし、しかしここから飛び出した私はどこに向かえばいいのかも分かりませんでした。それなのに出てきてしまったのです。あのテーブルから、御行儀の良い椅子から、家から飛び出してしまったのです。外は日が沈んでおり、私はあまりに準備不足のまま寒空に飛び出してしまった。後悔したところでもう遅かったのです。もう戻るための扉は閉ざされていたし、歩く先で私の身を守るための防寒具なども拾い集めなくてはいけないわけですから、私は地面だけを見て歩きました。小さな畑がやってくると私はそこに腰掛けてあたりを見回すのです。私はまだ住宅地から抜けていなかったのに、畑に座っていました。時折こういう畑が点在している起伏の激しい道を、息を切らしながら歩いてきたから、もうすっかり体も温まっていたし、畑にはふかふかのベッド。そう土が存分に敷かれていたから、もうそこが私の家だった。拾ってきたダンボールを敷き、私の体の周りを取り囲み風を防いだ。ダンボールの中をできるだけ隙間のないようにあるもので敷き詰め、呼吸できるくらいの隙間を開けて、私はもう気づいたら眠っていた。意識は空へと登ったかと思えば、土の中へ潜っていった。ガサゴソと動く音がした。何かの幼虫だった。青白く光る鳥が何羽も夜の街を徘徊していた。仲間のように思えた。彼らの行き先についていくことは出来るだろうか。私は懇願した。出来るだけ早くまたここから抜け出し、もうすっかり何もかもを忘れてしまいたいと彼らに懇願したのだ。その声は届くこともなく、ただ寂しくあの犬の遠吠えのように鳴り響いた。仲間を求めるような遠吠えが畑中にこだましていた。

 

連続性

 「体を起こしなさい。いいから起こしたらいい。ここで眠ってはいけない。ましてや意識を止めようとしてはいけない。これは連続性の中に存在しているし、しかし確かに断片的ではあるかもしれない。君はこの文字を追っている。追いかけた先には星があるはずだ。無数の星が点在しているはずだ。何かしらを掴んで確認してみるといい。それが君にとって重要かそうでないかは皮膚が知っているからだ。触れてみた時に感じたことを忘れないようにしてほしい。これは私からの願望のようなものかもしれない。塩辛い味がしただとか、甘ったるくて胃がもたれただとか、そういうことも何かしらの情報源として役に立つ。冷たかっただとか、暖かかっただとかそういうこともだ。そしてそこから下を眺めてみたらいい。何もかもが小さく見えるだろう。蟻のように小さくて、それでいて相変わらず君には狂気的なほど大きいだろう。いつまた襲いかかってくるかとヒヤヒヤしているだろう。ここまで届くと思っているの?あいつらの声が、暴動が、ここまで果たして届くのだろうか?しかしもう君の元にやってきたみたいだ。いやそれらは君が連れてきた。振るい落とすしかない。君自身の意思で、その残り香を振るい落とすしかないのだ。それらはいつでも君の周りをうろついているだろうから、何度だってそうやって振るい落としていくしかないのだ。そして逃げ切ってしまうことだ。逃げることこそ勇気だ。戦うな。悲しかっただろう。あれはみんなのものだった、家族のものだったからだ。それを我が物顔で持ち去る奴を許せなかっただろう。しかしもう追いかけるな。逃げ切ってしまえばそれでいい。」

 

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相変わらず咳が出る。

夜寝付けない。

 

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溝井孝司(Koji Mizoi)

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